風俗さえも俺にとっては能動で
彼女がほしい。これだ。
もっと言えば、セックスがしたい。いや、射精がしたい。セルフハンドサービス?オーケーオーケーの世界だ。
彼女がほしいとは言ったが、出来る予定もなければ目処もない。挙句の果てには関係を作るつもりもない。たった一つ思うのは、痴女にナンパされねえかなあ…という淡い期待である。
そんなものだから、自分から動き出すということをしない。完全な受け身の姿勢である。
「それじゃあ彼女なんで出来るわけないでしょう」
今さら何を言う、という次元だ。俺はとっくに理解している。黙っているだけでマンコが寄ってくる奴がどこにいる。その容姿で、その身分で、何を期待するというのか。理解している。
だが俺はそれでも、何もせずただ彼女がほしいと呟く。これは射精の話だ。
俺が積極的に話しかけて得ることの出来た信頼関係、それをセックスという形まで昇華させる。シンプルかつ確実な手段である。
しかし、それによって導かれる射精は偽りの射精なのだ。
俺が先手を取ったことで始まる男女の関係、これはどこまでも続いていくわけだ。
難しい説明はやめよう。つまり、その関係性ではマゾチンポが喜ばないのだ。女から言い寄られたことで築かれていく関係性、ここに俺は射精するのだ。
いいか、話をよく聞け。俺は彼女とイチャイチャしたいし、ラブラブセックスもしたい。優先度を下げれば、一緒にデートもしたい。だがそれは全て女に先導されることを望んでいるわけだ。チンポもそうだ。セックスによる射精とは他者によって導かれる射精であって、自己完結のオナニーとは方向性が違うのである。
「彼女が欲しいなら積極的になれ」
ふざけるな、と言いたい。俺からすれば、それはオナニーの延長上でしかない。
聞け。
俺はもう十分にオナニーが上手い。
知れ。
射精の何たるかを。
2015年3月18日