射精の重み

出されたものは全部食べよう

理由無きルールを漠然としたまま受け入れる。
これは価値観の話だ。そしてこの話は全て「もし黒木瞳似の美女が俺を見ていたら」という前提の元で進む。

「ちょっと多いな…」
満腹中枢の存在を感じ取る。目の前には3割ほど残った生姜焼き定食。現場は松屋、黒木瞳似の美女は場所を選ばない。架空の存在は困窮する浮浪人よりも融通の効く存在である。
残すか残さないか、その2択。黒木瞳似の美女へ精神的な視線を向ける。(完食しろ・・・)。脳から発した信号は身体を駆け巡り、折り返し地点のチンポを経由しファイナル・アンサーとなる。食べたほうがカッコいい、ただそれだけの価値観である。チンポの邪念に大きく影響された価値観、それは倫理、道徳、法と多岐にわたる。

出されたものは全部食べる

シーンは変わるが、風俗店の場合は少し違う。
「ちょっと違うな…」
マイルドに言えば、ブス。感じ取るは焦燥感。心に見る札束の燃え散る光景。己の浅ましさとの戦いである。
出されたものを食べる、果たしてそこに理由があっただろうか。疑問という盾を並べた。
正直でいること、それこそが自分自身の尊厳を保つことではないだろうか。理由とは壁になる。

ジーザス…。盾も壁も欲望の前では無力だった。

「射精しなきゃ勿体無いじゃん!」

真理だった。

コメント

メールアドレス
コメント本文

コメント

▲Pagetop