2015年2月の投稿一覧

かがみんの

呼び方ひとつで印象が大きく変わることがある。例えば無職の人間がいたとする。例えば、いや、この日記を見てるお前は無職かもしれない。というか無職だ。どうせそうなんだろう。ハロー無職!元気か!今日もタダ飯を前にして箸が止まらないな!

で、無職のことを指す自宅警備員という言葉がある。事実は分からないが、俺はそういう意味だったと思っている。もちろん言葉の意味とは刻々と変わっていくものだ。それは十分に理解しているはずだった。

去年のゴールデンウィークに俺は美容院へ行った。あのオシャレで有名な美容院だ。超オシャレな美容院からの帰り道にすれ違った女は美容院の残り香を感じてマンコをグショグショに濡らしていただろう。俺は、オシャレだ。

美容院に行くと、抱けなくもない顔面の女がついた。そして他愛もない話をする。ゴールデンウィークということもあって、休暇についての話をした。「お休みはどこか出掛けるんですか?」と尋ねられた俺はハッキリと、出掛けていないし予定もない、と答えた。すると顔面偏差値38の女が言う。

「じゃあ自宅警備ですねw」

自分側についていたと思っていたはずの言葉が敵側へと寝返り、姿さえも変えて俺に牙を剥く。俺は少し寂しかった。ゴールデンウィークに予定が無いことではなく、言葉が変わったことが寂しかった。もう、皮肉としての自宅警備員は使えない。動詞としての印象が広く好まれた。それだけのことだった。

暴走族、それに対して珍走団という呼び方がある。誰がどう思うかは知らないが、珍走団なんて呼び方は逆に気持ち悪いなと俺は思っている。不快感やコンプレックス丸出しの弱々しい言葉だ。使う人間だって少ない。それもこれも暴走族という呼び方の印象が強いからなのだろう。

少し長くなったが、印象の強さってあるよね、ということだ。さて、サニタリーボックスと聞いて何だか分かるだろうか。ちなみにsanitaryは衛生的な~、という意味らしい。

便所にある汚物入れ、あれがサニタリーボックスだ。殺すぞ!?と思うのも分からなくもない。なんとチャームボックスなる呼び名もあるようだ。殺せ!!

俺が思うに汚物入れというネーミングは世紀を跨いで生き残るだろう。強さが桁違いだ。あまりに直接的で直感的だ。それが良い。

では仮にサニタリーボックスとしての呼び方が主流になったとしよう。するとどうなるだろう。使用済みナプキンを嗅ぐことで、何も知らぬ純朴な少年が心に深い傷を負うのだ。汚物入れという危険信号を受け取れなかったが為に悲劇が起こるのだ。そんなことがあっていいのか。我々は未来のためにサニタリーボックスを徹底的に弾圧していかなければならぬ。汚物入れ100%の美しい世界にするのだ。

探求心を止められるか、それはまた別のお話。

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